学生時代にサッカー部に所属しており、毎日サッカーに明け暮れていました。
練習は厳しく、3キロのランニングから始まり、暗くなるまでボールを蹴っているという日々を過ごしていました。
部員も多く、レギュラーになるのも一苦労だったのでチームの練習が終わった後も一人で練習していたこともあります。
そんな状況でしたので大会で優勝しトロフィーをもらう瞬間はなんともいえない感動を覚えます。
幸いチームが強かったので様々な大会で優勝し、トロフィーをいくつも獲得することができました。
それから数年後、仕事の関係で海外に住むことになりました。
そしてある日、自宅の近くを散歩していると珍しい店があるのを発見しました。
ショーウィンドにたくさんのトロフィーが飾ってあるのです。
この店の商品は他から表彰されるほどの素晴らしい店なんだ、と最初は思いました。
しかし店は古く、店員もおじいさん一人しかいません。
そもそも何を売っているのかさえはっきりわかりません。
それで意を決して中に入ってみます。
すると驚きの事実が発覚します。
何とこの店はトロフィーを販売しているトロフィー店だったのです。
この事実を知ったとき、自分たちがサッカーの大会で獲得したトロフィーのことがすぐに思い浮かびました。
あんなにきつい練習をして獲得したトロフィーはいったいどこから来たのだろうと考えたのです。
学校を卒業する前に置き場がないと言う理由でいくつかのトロフィーは生徒にプレゼントされました。
そのうちの一つを持っていたのでそれと同じものが日本でどんな風にして売られているのかインターネットで調べてみたところ似たようなものがありました。
自分たちが大会で優勝してトロフィーを獲得したのはだいぶ前の話なので全く同じものなのかどうかはわかりません。
しかし販売されている価格はかなり高額でした。
これを見て少し安心しました。
もし安物だったとしたらなんとなく自分たちが大会で優勝したという事実の価値が薄れてしまう気がしたのです。
実際、そんなことは関係ないのですが。
しかしこのトロフィー店の存在を知る前、自分はトロフィーは全て特別注文だとばかり思っていました。
しかし実際はそうではなく同じものが世の中にたくさん存在するのです。
もしかすると自分たちが優勝して獲得したトロフィーと同じタイプのものが、どこか別のところで準優勝したチームに送られている可能性もあるのです。
そう考えると複雑な気持ちになりますが、なにもトロフィーの価値が全てを決めるわけではないということを忘れないようにしたいです。